アートゾーン神楽岡美芸短信

ギャラリストが様々な角度から日記風に伝える展示会通信です。

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2日間の東京美術館探訪!!

 4月27日(火)・28(水)と2日にわたり東京の美術館探訪に行ってきました。

 27日(火)10時半過ぎ東京駅に着くと早速丸の内側出口からでて三菱一号館美術館に向いました。

 三菱一号館美術館
 回顧展「マネとモダン・パリ」

 明治27年に英国人建築家コンドルによって建てられたレンガ建ての建造物で老朽化
のため壊されたものを復元しこの4月から美術館として生まれ変わりました。

 今、テレビで放映中の竜馬伝で岩崎弥太郎が出てきますが、彼が三菱の創始者です。

 建物内部は事務棟として建てられていたためか比較的細かい部屋が多く、クラシックな趣の部屋の中で絵画を楽しめます。窓から眺める庭の風景も見逃せないものでした。

 オープン記念として回顧展「マネとモダン・パリ」が始まっていました。
 
 マネの油彩、素描、版画が約80点余りが展示され当時の建築図や写真なども同時展示し時代背景が分かるようになっています。

 マネは印象派の先駆者として多くの画家に影響を与えましたが、「スミレの花束をつけたベルト・モリゾ」や「エミール・ゾラ」などマネの代表作が並び見ごたえがありました。

 27日(火)の昼からは渋谷のBUNKAMURAザ・ミュージアムへ向いました。渋谷駅から道玄坂を10分ほど歩いたところです。

 BUNKAMURAザ・ミュージアム
 「レンピッカ展」

 纏まってタマラ・レンピッカの作品を見る機会は今までありませんでした。1920年代から30年代の享楽的な時代の寵児であったレンピッカの全容を是非見たいと思い足を運びました。

 初期の作品はキュービズムの影響を受けていましたが徐々に曲線を活かしたメリハリの利いたデザイン性のある絵画に傾倒していきます。

 美貌の持ち主で男勝りで自動車を乗り回していたという彼女はホモセクシャルでもあったようです。

 描く女性像は肉感的で挑発的です。彼女の娘キゼットが10歳ごろのキゼット像が描かれていますが大人を挑発するような視線と肢体の少女として描かれています。解説によれば「ロリータ」の表紙になったとかかれていました。

 第2次世界大戦中にアメリカに亡命しましたがアメリカでは評価されず忘れ去られていましたが晩年になり再評価の機運が高まりました。

 全般を見渡すとやはり第2次世界大戦前のパリ時代の作品がファッション性があり挑発的で魅力的です。

 28日(水)午前中はは恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館にいきました。

 恵比寿ガーデンプレイスへ行くのは初めてでした。地下鉄恵比寿駅で下りるとガーデンプレイスの入り口です。

 その入り口からエスカレータや動く歩道に乗り継ぎビルの中を前進していくと新開発都市が現れます。

 六本木の雰囲気と一味違った高級感溢れる町並みです。その一角に東京都写真美術館があります。

 東京都写真美術館
 森村泰昌ーなにものかへのレクイエムー

 森村泰昌は歴史上の人物に変装したり、絵画に現れる人物に変装したりして歴史の検証や絵画の意味を問いかけます。

 NHKの新日曜美術館でこの展示会が紹介されており是非見たいと思っていました。

 私達は過去の歴史的なシーン、例えばマッカーサーと昭和天皇の会見写真、社会党党首が演説会場で山口乙矢に惨殺された写真などを生々しく覚えていますが、新聞や雑誌などで報道された数々の歴史的シーンを演じた人物に森村がなりきりその場面を再現した写真や映像を私達に突きつけます。

 それらの報道写真を見たその時代の人たちがどのように感じたのかは各自違っているでしょうが森村が感じ取ったものが作品の中に反映しているようです。

 例えば、マッカーサーと昭和天皇の会見場面が彼の実家であるお茶問屋が背景になっていて、マッカーサーは傲慢な態度でパイプをくわえてはいません。森村にとっては幼年時代の思い出で、二人の関係、すなわち日米の関係を仲の良い親子か兄弟のような関係として捉えたようです。

 チャップリンがヒットラーを演じた独裁者の映画の一コマを写真と映像で見せてくれますがこれは実に面白いものでした。

 今も独裁者が生まれているのではないかとの疑念の元に描かれたこの映像は含蓄があって見ごたえがありました。

 ブッシュが仕掛けたイラク戦争、マイクロソフトやグーグルの情報ネットの世界的覇権など独裁者の影が垣間見えます。

 午後から六本木にある国際新美術館へ行きました。ルーシー・リーの回顧展を見るためです。

 国際新美術館 
 ルーシー・リー展

 陶芸といえば日本の作家しか思い浮かびません。しかし、すばらしい作家がイギリスにいました。それがリーシー・リーです。

 ウイーンに生まれた彼女は工業美術学校で陶芸を学び評価を得ていきますが、第2次世界大戦前にイギリスに亡命します。以来イギリスで活動を続けますが、当時イギリスではバーナードリーチが権力者でリーを評価しなかったため苦労をしたようです。

 しかし、釉薬の研究を重ね独特の味わいのある溶岩釉薬や色彩のある釉薬を開発し、また彼女独自の線文様式を編み出し、シンプルでシャープな器に目を見張ります。

 特に60歳を越えてからの彼女の作品はどの器も形、色合いも見とれるほどの美しさです。


 以上、2日間にわたって4展示会場をたっぷり時間をかけて回りましたがいずれも展示内容が良くて見ごたえがありました。

 マネ以外、ひょっとすれば一般にはあまり知られていない作家たちかもしれませんが良い作家です。

 以上、機会がありましたら是非ご覧下さい。

 
 


 
 

 

 
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予告「ひびのこづえのざっかてん」が5月15日(土)から開催です!

 ひびのこづえさんの個展を2年ぶりに開催します。昨年は伊丹市立美術館とはるひ美術館(名古屋)で大規模な個展があったためこづえさんはそれに力を集中されました。

 伊丹美術館でその個展をご覧になった方はこづえさんのパワーと才能にあらためて驚嘆されたでしょう。

 実際、数々のオリジナル・コスチュームの展開に目を見張り、履物や家具メーカーなどとコラボレーションをし、使い勝手が良くてデザインの優れたものを提案するなどこづえさんの活躍の場はますます広がっているのに驚きました。

 さらにアクセサリーやジュエリーなどの装身具にまでこづえさんの才能はおよんでいます。

 このように大きく才能を展開されているこづえさんの全容を見ていただけることでしょう。

 「ひびのこづえのざっかてん」 5月15日(土)~5月30日(日)

 なお、15日(土)14:00からこづえさんは来廊されます。

 それでは2008年5月に開催したこづえ展の様子をご覧下さい。

 下記はこづえさんのアートトークの様子です。50名余りこられました。今年は特にイベントはありませんが初日に来廊されます。

こづえさんのトーク

 オリジナル・ドールとハンカチなどです。

こづえさんのドール

 オリジナル・バッグです。

こづえサンのかばん

 さて、今年はどんなものが展示されるのか楽しみです。「ざっかてん」というタイトルから期待に胸が膨らみますね。

 お友達を誘って是非お越し下さい。


ところで、下記期間は常設展示(水・木休み)です。ご来廊ご予定の方はご連絡ください。ご覧になりたいものを見ていただけるようにしてお待ちいたします。ご遠慮なく連絡下さい。

 常設展示 ~5月14日(金)




 

カンツォーネ・コンサートは大盛況でした!!

 Andrea Carini展にあわせてカントォーネ・コンサートを4月17日(土)に開催しました。
演奏者はテノールの岡本雄一氏とピアノの島敏子さんで関西を中心に活躍している演奏家です。

 3時の開演までにすでに会場は満席になり、春の祭典に相応しい雰囲気になりました。

観客

 カリーニさんの版画作品をバックに満席のお客様にまず最初にAndrea Cariniさんから挨拶をしてもらった後、演奏会に入りました。

カリーニ挨拶

 演奏者の岡本氏と島さんです。

演奏家

 声量たっぷりに歌い上げる曲はほとんどどれも恋や愛に関連したもので、不倫による逃避行を歌い上げたものもありました。

 カンツォーネは日本で言えば演歌のようなものですがカンツォーネは愛や恋、そして不倫までも胸を張って堂々と感情をこめてアクティブに歌うものなんですね。それに対して演歌は隠微でネガティブな歌詞が多く哀愁をこめて歌うものが多いように思いました。

 朗々と響き渡るカンツォーネの歌い声に会場は圧倒され参加された皆さんは没我の世界に酔いしれました。

 イタリアの風土、文化に根ざしたカンツォーネは日本では春の季節にピッタリだと思いました。

 プログラムの前半の締めは陽気な「フニクリ・フニクラ」で休憩に入り、後半の締めとしてアンコールで再度「フニクリ・フニクラ」を会場のお客様全員で陽気に歌い終え閉幕となりました。

 その後の懇親会にも大勢が残りCarini氏や岡本氏、島さんと交流を深めました。






 

カリーニの作品を紹介します!!

 アンドレア・カリーニ展をアートゾーン神楽岡で開催中です。

 まず、カリーニの冊子を紹介します。

カリーニ冊子 

カリーニの冊子 

 この冊子は今回の個展のために評論家の論評を得てイタリアで制作したものです。

 かれはアルミニューム版に鉄筆で傷をつけ、ペイントしたりした作品を創っています。その作品の1点を見てみましょう。

36 Orbits 2009 oil on aluminium 50×50縮 

 上記作品は黒光りしたアルミ板にペイントしたものです。鋭い刻線に黒線が走り、下部には白色で描かれた網目状の模様が黒線を包み隠しています。緊張と弛緩の巧みなコンポジションです。本作品は15万円(消費税抜き)です。

 次は版画作品を見てみましょう。

額装写真  

 この作品は小品ですが鋭くにじみ出た黒いドライポイントの線とエッチングのきれいな線が交差した画面にわずかに彩色がされています。その左右にエンボスによる網目が浮き上がった作品です。

 黒い鋭い線で描かれた場面とエンボスで浮き出た白い場面が緊張と弛緩の見事な対比となっています。

 この作品をアクリルの額縁に納めたところです。本作品は額縁共で6万円(消費税抜き)です。

 その他、30数点の作品を今回展示しています。是非ご来場をお待ちしております。

 詳しい案内はかきHPをご覧下さい。

 http://www.artzone-kaguraoka.com

 

 

イタリアの新進作家アンドレア・カリーニ展いよいよ始まる!!

アンドレア・カリーニ展(Andrea Carini Exhibition) 4月9日(金)~20日(日)

アンドレア・カリーニはイタリア・ミラノ在住の作家です。

 カリーニはミラノにある有名なブレラ美術館の修復師をしながら現代美術作品を制作しています。

 ブレラ美術館は17世紀に建築されたものでナポレオンが美術館として整備しました。ここにはラファエロやマンテェーニアなどの15~18世紀のイタリア絵画の名作が幅広く蒐集されています。

 この美術館には美術大学(名門校です)が併設されていてカリーニはこの大学を修了し中世絵画の修復をしているわけです。

 修復の仕事は1週間の半分程度で後は現代美術の制作に専念しています。

 それでは展示風景をご覧下さい。

展示1

 上記の作品はアルミニウム版にペイントを付した作品です。アルミの表面をスクラッチし、その上から釘を接着したりペイントしたりした作品です。

 どの作品もシンプルな構成ながら張り詰めた緊張感があり、作家の鋭い感性が感ぜられます。

展示2

 上記の作品は銅版画です。銅版画も色彩を抑えシンプルな構図の作品が多いのですが、紙の余白の部分を巧みに使い緊張感の中にも清涼感を感じさせるセンスの良い作品ばかりです。

 このようにほとんどが直線を多用したシャープな平面作品ながら立体的、彫刻的な雰囲気を醸しだしていて、イタリアの風土でしか生まれないような作品だとおもわれます。

 作品発表はローマ、ミラノを中心にしているとのことですが、近年評価が高まってきています。

 イタリアの新進作家を紹介できることはギャラリーとして嬉しく、多くの方々に是非見ていただきたいと考える次第です。


 
  

 



第78回日本版画協会展授賞式の風景!!

 第78回日本版画協会展授賞式が4月3日(土)18:00からホテルグランヴィア京都で行われました。

 その模様をご覧下さい。

 会場の模様

 金屏風の前に整列しているのは準会員の推挙された方たちです。弊店で個展をされた渡邊加奈子さんと片平菜摘子さんが推挙されました。

 それでは弊店でグループ展や個展で受賞した方々の喜びの場面を再現します。

 まず、日本版画協会展版画協会受賞の野嶋革さんです。版画協会展に入賞することは版画作家を志すものにとっては登竜門として重要なプロセスですが特に版画協会賞はそのトップの賞なので値千金です。

中島さん受賞

 野嶋革さんは京都芸大大学院出身で院在学中に弊店で毎年行う在学生グループ porto di stampa に出展されています。初めて出品しなんとトップだったので驚きでした。来年9月に個展をすることになった矢先だったので受賞が決り弊店にとっても朗報でした。こころよりお祝い申し上げます。

 次は、版画協会展A部門奨励賞を受賞した渡邊加奈子さんです。協会会長中林忠良氏からの受賞です。また、準会員に推挙されました。おめでとうございます。

渡邊さん受賞

 渡邊さんは昨年5月に個展をしました。木版画作家ですが彫りこまず版面に何度も何度も絵の具を塗りこみ転写することで重層的なグラジュエーションを出す独特の手法です。白黒で浮かび上がる画像は水墨画の趣と現代的味わいがあり、渡邊作品のファンが沢山生まれています。

 次は、版画協会展B部門奨励賞を受賞した片平菜摘子さんです。協会会長中林忠良氏からの受賞です。また、準会員に推挙されました。おめでとうございます。

片平さん受賞

 片平さんの個展は昨年9月に弊店で行いました。片平さんも木版画作家ですが、暖かいカラーを使い、何気ない日常風景を鳥瞰的に描き、平和で暖かい雰囲気をかもし出した作品を作ります。その魅力的画面に取り付かれファンになった方が多く居られました。

 最後に二階武宏さんです。二階さんは京都精華大学卒業と同時に日本版画協会展で山口源新人賞を受賞し、その後も毎年受賞を重ね、またも今回準会員優秀賞を受賞しました。また、今年はじめに鹿沼市川上澄生版画館版画ビエンナーレでも準大賞を受賞しています。一昨年準会員に推挙され、さらに今年会員に推挙されるという快挙を成し遂げた現代版画作家の中でも最も期待される若者です。弊店では彼の学生時代から注目し全ての作品を蒐集してきました。なお、2004年の弊店で開催の「鑿の会21」グループ展にも出展しています。木口木版画作家として小林敬生、柄澤斉の後を担う英才です。二階さんおめでとうございます。

二階さん受賞

上記写真の右手に立っておられるのは木版画作家の巨匠吹田文明氏です。二階さんが受賞した準大賞はF・F賞すなわち吹田文明賞です。

 弊店が応援している若い作家たちが相次ぎ受賞していることは本当に嬉しく、また版画を中心にギャラリー運営をしている弊店としては、弊店の目で選んだ作家たちが受賞したということは皆さんに自信を持って当店の作品をお持ちいただける根拠にもなりえるのではないかと思っています。

 版画の芸術性と面白さを知っていただきコレクターが増えることを願っています。それが若い作家を育てることに繋がるのではないでしょうか。



 

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