現在、片平菜摘子木版画展を開催しています。(~10/6)
何処かの街角で見かける風景ですね。観光バスでしょうか。これから旅行に出発かもしてません。バスの中で楽しそうに話し合ってる声が聞こえてきそうです。
そんななんでもない風景を淡いトーンの木版画に仕立てます。
そこで、片平さんに訊ねました。今回のテーマは何でしょう?
「私たちがいる現在、「近く」と、ふと思い出す懐かしい風景や、なんとなく頭について離れない不確かな記憶、「彼方」。彼方と近くが交錯して、あいまいなになる。ふいに、孤独が首をもたげる。この気持ちはどこから来て、どこに行くんだろう。ときどきそんなことを思います。
それぞれの場所で、それぞれの思いを胸に過ごす私たちの日常は孤独でいとおしいものです。淡々と過ぎる時とともに、変化し、あいまいに積み重なっていく経験や情報。それは、混沌とした社会の狭間で、ぶれることのない私たちの存在そのものだと思います。
過ぎていく日々を、内に潜むあいまいさを、もう一度見つめてほしい。
この不確かなイメージ、「かなた」と「ちかく」を繋ぎ合わせることが私のテーマです。きっとこれからも変わらないと思います。」
なるほど! 片平さんの淡いトーンでほとんど全ての木版画作品が刷られていますが、現在と懐かしい過去の思い出とが折り重なりあい、エキスとして表出されたものだから、あえて淡い色合いで表現されているのですね!!
心地よい色調と単純化された画面を見ているうちにα波が充満しますよ!