アートゾーン神楽岡美芸短信

ギャラリストが様々な角度から日記風に伝える展示会通信です。

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10/2(金) 片平菜摘子さん! 好きな作家、尊敬する作家は誰ですか?

 多くの作家はいろんな作家に影響され、やがてそれから抜け出し自立し自分の作風を確立していきます。

 しかし、ほとんど影響を受けず独自の世界を確立する作家もいますが少ないかもしれません。

 片平さんに「あなたの好きな作家、尊敬する作家をその理由も含めあげてください」と質問しましたところ、下記6名の名前が挙がりました。

1.アーサー・ラッカム
2.エドワード・ホッパー
3.船越桂
4.高嶺格
5.ジャン=フランソワ=ラギオニ
6.パウル・クレー

アーサー・ラッカムは知りませんでしたので調べたところ、イギリスの童話絵本作家でした。登場する妖精も悪魔も動物も人間と等身大におどろおどろしくリアルに描かれています。

彼女は次のように述べています。

 「もともと母の本で、小さい頃よく眺めていました。ちょっと怖くて幻想的な彼独特の世界観と、人の線が好きです。本を開くとすぐに引き込まれてしまうので、気づいたら私は妖精になっていました。絵本の中へ飛んでいってしまうことがありました。」

 片平さんはお母さんから読んでもらい妖精になったり、悪魔に襲われたり、様々な体験を話の中でされたに違いありません。

 絵は全く違いますがアーサー・ラッカムから体得した精神は作品に今後出てくるかもしれません。

 次はエドワード・ポッパーです。彼女はホッパーからの影響はありそうです。

 「高校生のとき、東京で初めて観た展覧会。

夜に光るバーの灯りや、マリリンモンローのようなブロンドに真っ赤な口紅は、遠く知らない大人の世界だなぁと思いました。

ホッパーの空間性と、黄緑色が好きです。こうして書きながら振り返っていると、特に空間は影響をいただいているなぁと感じます。」 

 ホッパーはアメリカを代表する作家で都会の中で孤独に生活する人物や風景を描た作家として有名です。 

 ホッパーは日常の生活する何気ない人物や風景を切り取って描いていますが、片平さんも同様に何気ない日常風景を描いている点では画面構成としてはホッパーの影響が見られますね。

 しかし、絵の中に流れる精神性は180度違うように思います。ホッパーの絵には20世紀初頭の時代を反映し孤独な蔭が感じられる画面に対し、片平さんの絵からは日常の営みを暖かい眼差しで捉えていて人肌の温かみが漂っています。

 さて、船越桂の彫刻はうつろな瞳で遠くを眺めている人物像が多いのですが、遠くに焦点をあわすという点で、その目線が彼女の目線と同じかもしれません。

 高嶺格は鹿児島県出身で片平さんと同郷です。それだけに気になる先輩なのでしょう。現代美術の先端を行く作家だけに片平さんとの共通点はなかなか見出しにくいですが、片平さんが刺激を受け新しい試みをするヒントを得られる作家も知れません。

 片平さんは高嶺格の人間くさい作風に魅力を感じているようですが、片平さんの作品にホッパーの作品に見られる人間の悲しみ、船越作品に見られる人間の深遠さ・重みなどが加われば更に面白くなるでしょう。

 ジャン・フランソワ・ラギオニはフランスのアニメーション作家ですが片平さんから教えられるまで知りませんでした。是非一度彼のアニメを見てみたいと思います。

 最後に片平さんはパウル・クレーをあげています。

 クレーはヒットラーから退廃芸術と指摘され苦難の時代を過ごした作家ですが、彼ほど内的世界を多様に描いた作家はいないでしょう。理知的でユーモアに満ちた作品に誰もが魅了されてきました。片平さんもその一人ですね。

 片平さんの最近の作品に日常風景とは違った造形的作品が出始めていますがクレーの影響ですかね。

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 理知的に走りすぎユーモアのあるものを作ることは意外と難しいですが、これからも挑戦してください。

 片平菜摘子木版画展 ~10/6(火)まで

 是非ご覧下さい。

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