アートゾーン神楽岡美芸短信

ギャラリストが様々な角度から日記風に伝える展示会通信です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『野嶋革展』の反響は如何に!

 現在進行中の『野嶋革展』の反響は大きく観賞者に衝撃を与えています。

 彼の今回のテーマは「森」で屋久島の自然林を写真に撮ったり写生したりしたものをもとに写実的な銅版画作品にしています。

 写実的なだけに彼の全ての作品は一見写真のように見えるのです。大方の人が写真のようだ。しかし、何かが違うと感じています。

nojima8.jpg

 銅版画のアクアチント、メゾチントという技法を駆使して何日も係り製版(大きな作品なら1ヵ月半)しプレスして出来上がる作品は確かに写真のようです。

 観賞者の一人がこの作品は「恐ろしい」「怖い」と言われました。写真はあるところに焦点が当たりそれを中心に拡がりがある。だから経験則から安心して見られるが、野嶋さんの作品は全ての部分に等質に焦点が当たっていて画面全体が闇の奥からひかりが発光し神秘的な森、言い換えれば恐ろしい森の印象がある。との指摘です。

 そして、その観賞者は30歳に満たない作家がこんな恐ろしい写実的な銅版画を作り上げるその技量に”空恐ろしい!将来どうなるんだろう”と唸りながら観賞されたのです。

 野嶋さんの作品は確かに並の写実ではありません。大自然の神秘、大自然への畏怖、大自然の恐怖など、ある意味で宗教的なアニミズムさえ感じさせてくれるのです。

 村上春樹の『ノールウエーの森』に人里はなれ隔離された森の一角に精神を病む人たちの施設に恋人の彼女を訪ねた彼氏が感じた森のように、あるいは『海辺のカフカ』にでてくる15歳の家出少年がたどり着いた図書館の司書から案内された森は神秘の森であり、恐れをさそう森でした。

 森は果てしなく魅力があり奥を窮めたいと思うと同時に、一寸先はわからず果てしなく恐怖も誘うものです。

 野嶋革さんの銅版画作品はそんな作品です。

 是非、多くの方にご覧いただきたいと存じます。



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://artzone.blog80.fc2.com/tb.php/328-6b3c5403
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。