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美術百科「前衛の関西」を見て思ったこと

 和歌山県立近代美術館へ『美術百科「前衛の関西」の巻』を見にいってきました。
和歌山県立近代美術館は版画の収集にも力を入れていて好きな美術館です。また、ユニークな企画展も多くよく足を運びます。

今回は戦後の関西現代美術の流れが一覧できるもので、当美術館コレクションでの企画でした。

現代陶芸の八木一夫、鈴木冶、山田光などの作品は今見ても実にユニークで楽しい。

現代絵画の先駆者でデモクラート美術協会を結成しリードした泉茂の版画からペイントまでは今見ても新しい。また、泉の後に吉原英雄や船井裕などが活躍する。

ところで、吉原英雄は新年早々(1/13)亡くなった。彼のエロティシズムのある版画は私は気に入っていた。
梅原猛が京都新聞に追悼文を寄せ「吉原英雄を部分身のエロチズムの画家と名づけた。その作品は、世界の誰も見たことのない指の先、乳房の先のみを描いて女身の見事な美を表すエロスの絵である。それは浮世絵の伝統を引きながらまことに繊細でしかも超モダンなエロチズムである」と記している。あらためて哀悼の意を表します。

さて、吉原治良の下で結成された具体美術協会の田中敦子、白髪一雄、元永定正等の作品なども展示されていた。今日では「具体」の活動は現代美術の先駆的ムーブメントとして世界的に評価されている。今回は吉原の作品が残念ながら展示がなかった。(後半の展示か?)

50年代、60年代は関西であらゆる前衛的な実験がされていて日本の現代美術をリードして来たことがよくわかる。

70年代は停滞気味で、80年代の関西ニューウエーブとして版画の木村秀樹、安藤菜々、小枝繁昭、中路則夫などが紹介されていた。和歌山版画ビエンナーレ展が始まった頃の受賞作品である。丁度この頃はバブルの絶頂期に差しかかったころで作品もシルクの大作が出展されバブル時代の活気が感じられた。

今回のこの展示で気ずいたことは、版画という表現媒体を通じて活躍した作家が現代美術の先駆者には大変多いということです。既存美術団体の枠に縛られず自由に表現をしようと思えば版画での表現が最適だったのかもしれません。

20070119162240.jpg
吉原英雄作 

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